道路や橋、トンネル、建物など、身近なところで使われているコンクリート。
見慣れた材料ですが、「コンクリートって何でできているの?」
と聞かれると、意外と説明しにくいかもしれません。
コンクリートは、基本的に**セメント・水・細骨材(砂)・粗骨材(砂利や砕石)**を混ぜて作ります。
セメントそのものがコンクリートなのではなく、セメントはコンクリートを作る材料のひとつです。
まずは、それぞれの材料が何をしているのかから見ていきましょう。
コンクリートは何でできている?
コンクリートの基本となる材料は、次の4つです。
- セメント
- 水
- 細骨材(砂)
- 粗骨材(砂利・砕石など)
さらに、目的に応じて混和材料などを加えることもあります。
ここで初心者がイメージしにくいのが、コンクリートの中にはかなり多くの砂や石が入っていることです。
固まったコンクリートの表面だけを見ていると、セメントが主な材料のように感じるかもしれません。
しかし、コンクリートの体積の多くを占めるのは骨材です。
では、それぞれ何のために入っているのでしょうか。
セメント|水と反応して固まる材料
セメントの主な原料は石灰石、粘土、けい石、鉄原料などです。
水と混ぜることで化学反応を起こして固まっていきます。
この反応を水和反応といいます。
セメントと水だけを混ぜたものは「セメントペースト」と呼ばれ、これが砂や砂利などの骨材を一体にしていきます。
水|セメントを反応させる
水は、セメントを固めるために必要な材料です。
セメントに水を加えると化学反応が起こり、時間とともに固まっていきます。この反応を水和反応といいます。
また、水の量はコンクリートの柔らかさにも関係します。水が多くなるとコンクリートは柔らかくなり、型枠の中にも流し込みやすくなります。
では、施工しやすいように水をたくさん入れればいいのでしょうか。
残念ながらそうはいかないんです。
水を必要以上に増やすと、コンクリートの強度が低下する原因になります。
そのため、コンクリートは必要な強度や施工のしやすさなどを考えて、セメントや水、骨材をどのくらい使うか決めています。
この材料の組み合わせを**「配合」**といいます。
水とセメントの量が強度にどう関係するのか、単位水量や水セメント比がどうやって決まるのかは、コンクリートの配合とは?水セメント比・単位水量から配合表ができるまでで詳しく解説しています。
細骨材|いわゆる「砂」
細骨材は、簡単にいえば砂のような細かい骨材です。
コンクリートの中では、粗骨材の間を満たしながら全体を構成しています。
「細骨材」という言葉は、コンクリート工事の資料や配合を見るとよく出てくるので、
細骨材=細かい方の骨材
と、まず覚えておけば大丈夫です。
粗骨材|砂利や砕石など
粗骨材は、細骨材より粒の大きな骨材です。
砂利や砕石などが使われ、コンクリートの中で大きな体積を占めています。
完成したコンクリートの断面を見ると、中に石がたくさん入っているのが分かります。
コンクリートは「セメントの塊」というより、砂や石などの骨材をセメントペーストによって一体化した材料と考えるとイメージしやすいでしょう。

モルタルとコンクリートは何が違う?
セメントとコンクリートの違いは説明しました。
もうひとつ混同しやすいのがモルタルです。
基本的な材料の違いを並べると分かりやすくなります。
| 名称 | 主な材料 |
|---|---|
| セメントペースト | セメント+水 |
| モルタル | セメント+水+細骨材(砂) |
| コンクリート | セメント+水+細骨材(砂)+粗骨材(砂利・砕石など) |
大きな違いは、モルタルにはコンクリートのような粗骨材が入っていないことです。
現場ではモルタルもさまざまな用途で使われるため、「コンクリートとモルタルは同じようなもの」と覚えず、材料の違いを押さえておくと理解しやすくなります。
固まる前のコンクリートが「生コンクリート」
工事現場では「生コン」という言葉もよく使います。
生コンクリートとは、簡単にいえばまだ固まっていない状態のコンクリートです。
工場で材料を計量して練り混ぜ、**生コン車(アジテータ車)**で工事現場まで運びます。
現場に到着した生コンクリートは、必要に応じてスランプや空気量、コンクリート温度、塩化物量などを確認します。
→ 生コンの受入検査とは?スランプ・空気量・塩化物量など何を確認するのか
その後、型枠の中へコンクリートを打ち込み、バイブレータなどを使って締め固めます。
→ コンクリートの打込み・締固めとは?ポンプ圧送からバイブレータまで
さらに、打込み後は乾燥を防ぐなど、コンクリートが適切に硬化するための養生を行います。
コンクリートは材料の割合で性質が変わる
コンクリートの基本材料はシンプルですが、材料の種類や使用量によってコンクリートの性質は変わります。
そこで出てくるのが**「配合」**です。
配合では、水セメント比や単位水量、単位セメント量などを考えながら、それぞれの材料をどのくらい使うか決めます。
→ コンクリートの配合とは?水セメント比・単位水量から配合表ができるまで
また、工事の設計書などを見ると、
18-8-40BB
24-8-25BB
のような数字や記号が書かれていることがあります。
初めて見ると暗号のようですが、これらは呼び強度、スランプ、粗骨材の最大寸法、セメントの種類などを表しています。
→ コンクリートの18-8-40BB・24-8-25BBとは?数字と記号の意味
セメントにも、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメントなどの種類があります。
→ セメントの種類とは?普通・早強・高炉・フライアッシュの特徴とメリット・デメリット
さらに現場では、
- 必要な強度を満たしているか
- スランプは適切か
- 空気量は適切か
- コンクリート温度はどうか
などを確認します。
コンクリートの強度を実際にどのように確認するのかは、コンクリートの圧縮強度試験とは?テストピース・7日強度・28日強度で詳しく解説しています。
まとめ
コンクリートは、基本的に**セメント・水・細骨材(砂)・粗骨材(砂利や砕石)**を混ぜて作ります。
セメントはコンクリートそのものではなく、水と反応して固まり、砂や砂利などの骨材を一体にする材料のひとつです。
まずは、次の関係を覚えておけば大丈夫です。
セメント+水+砂+砂利・砕石 → コンクリート
そして実際のコンクリート工事では、材料を混ぜれば終わりではありません。
どの材料をどのくらい使うのかを決める**「配合」**があり、現場に生コンが届いたら品質を確認し、打込み・締固め、養生へと施工が進んでいきます。
「材料は分かったけど、どのくらいの割合で混ぜるの?」と疑問に思った人は、次にコンクリートの配合とは?水セメント比・単位水量から配合表ができるまでを読むと、コンクリートへの理解が一段深まります。
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出典・参考資料
国土交通省|土木工事共通仕様書・施工管理基準等
コンクリートの材料、配合、施工など公共工事における基本的な取扱いを確認するために参照。令和8年3月版の土木工事共通仕様書(案)が掲載されています。
土木学会|2023年制定 コンクリート標準示方書[施工編]
コンクリートに使用する材料、配合、施工、品質管理などの基本事項を確認するために参照。
日本コンクリート工学会|コンクリートの圧縮強度に対する骨材の影響について
コンクリートがセメント・水・細骨材・粗骨材を主な材料として構成されることや、骨材がコンクリートの大きな体積を占めることを確認するために参照。



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