コンクリートの圧縮強度試験とは?テストピース・7日強度・28日強度を初心者向けに解説

現場・施工管理

コンクリートを打設していると、円柱形の型に生コンを詰めていることがあります。

「このコンクリート、何に使うんだろう?」

これは、あとでコンクリートの強度を調べるためのテストピースを作っています。

正式には「供試体」といい、一定期間養生したあと、試験機で押しつぶして圧縮強度を測ります。

公共土木工事では6本作ることがありますが、その理由は基本的に7日用3本+28日用3本です。

さらに品質管理の規格値には「1回の試験結果」「3回の試験結果の平均値」といった少し分かりにくい言葉も登場します。

この記事では、テストピースを作ってから試験結果を確認するまでを、実際の流れに沿って解説します。

圧縮強度試験はテストピースを押しつぶす試験

コンクリートの圧縮強度試験を簡単にいうと、

「固まったコンクリートを機械で押して、どこまで耐えられるか調べる試験」

です。

ただし、完成した擁壁や橋台を壊して調べるわけにはいきません。

そこで、打設する生コンから試料を採取して、円柱形の供試体を作ります。

現場では、この供試体を「テストピース」と呼ぶことがあります。

流れはシンプルです。

生コンを採取
→ テストピースを作る
→ 養生する
→ 試験機で圧縮する
→ 強度を確認する



試験結果は「N/mm²」という単位で表されます。

たとえば「25N/mm²」なら、1mm²あたり25Nの圧縮力に耐えたという意味です。

圧縮強度そのものは、供試体が壊れたときの最大荷重を供試体の断面積で割って求めます。

なぜテストピースを6本作るの?

現場で、

「テストピース6本お願いします」

と言われることがあります。

国土交通省の一般的なセメント・コンクリートの品質管理では、1回につき6個の供試体を採取します。

内訳は次のとおりです。

試験する時期本数何を見る?
7日3本強度発現の途中経過
28日3本規格値に対する強度
合計6本―

つまり、6本全部を一度に試験するわけではありません。

7日後に3本、28日後に3本を試験するための6本です。

ここで出てくる「7日」「28日」は、コンクリートを打ち込んでからの経過日数で、これを材齢といいます。

テストピースを作る前には、打設する生コンについてスランプや空気量などの確認も行います。

生コンの受入検査では何を確認するのかは、こちらの記事で詳しく解説しています。

なぜ7日と28日に試験するの?

コンクリートは、固まった瞬間に必要な強度が出るわけではありません。

セメントと水の反応が進むことで、時間とともに強度が発現していきます。

そこで7日強度では、強度がどのように発現しているか途中経過を確認します。

そして28日強度で、規格値を満足しているか確認します。

7日強度が低ければ、28日を迎える前に強度発現の状況を確認するきっかけになります。

ただし、7日の数字から単純計算して「28日なら○N/mm²になる」と決めるものではありません。強度の伸び方はセメントの種類や配合、養生条件などによって変わるからです。

なお、コンクリートの強度に関係する水セメント比や単位水量などについては、コンクリートの配合とは?水セメント比・単位水量から配合表ができるまでを解説で解説しています。

28日用の3本はどうやって判定する?

ここからが、圧縮強度試験で少し分かりにくいところです。

たとえば、28日用のテストピース3本を試験して、

1本目:20N/mm²
2本目:21N/mm²
3本目:22N/mm²

だったとします。

3本の平均は、

(20+21+22)÷3
=21N/mm²

です。

この**21N/mm²が「1回の試験結果」**になります。

「1回」と聞くと、テストピースを1本だけ試験した結果のように感じますが、そうではありません。

テストピース3本を1セットとして、その平均値を「1回の試験結果」と呼びます。

ここを覚えておくと、このあとの基準がかなり読みやすくなります。

では「3回の試験結果」って何?

品質管理基準には、

「3回の試験結果の平均値」

という言葉も出てきます。

「28日用は3本しかないのに、3回も試験できるの?」

となりそうですが、同じ3本を3回試験するわけではありません。

コンクリートをたくさん使う工事では、決められた試験頻度に応じて、別の日や別のタイミングでもテストピースを作ります。

たとえば、

1回目の採取
3本を試験 → 平均21N/mm²

2回目の採取
別の3本を試験 → 平均19N/mm²

3回目の採取
さらに別の3本を試験 → 平均20N/mm²

だったとします。

この、

21、19、20N/mm²

が3回分の「試験結果」です。

そして、

(21+19+20)÷3
=20N/mm²

これが**「3回の試験結果の平均値」**です。

整理すると、

テストピース3本の平均
↓
1回の試験結果

それを3回行って、

1回目+2回目+3回目の平均
↓
3回の試験結果の平均値

となります。

「3回」とは、いつ試験した3回?

「3回」とは、いつ試験した3回?

では、この「1回の試験」をどのくらいの頻度で行うのでしょうか。

国土交通省の品質管理基準では、一般的なセメント・コンクリートの圧縮強度試験について、

1回/日以上、または構造物の重要度と工事の規模に応じて20~150m³ごとに1回

とされています。

つまり、コンクリートを何日にも分けて打設したり、1日に大量に打設したりする工事では、決められた頻度で供試体を採取するため、「1回の試験結果」が複数できます。

なお、20~150m³のどの頻度を適用するかは、構造物の重要度や工事規模に応じて確認します。

圧縮強度はいくつあればいい?

では、試験結果が何N/mm²ならよいのでしょうか。

国土交通省の一般的なセメント・コンクリートの品質管理では、次の2つを確認します。

① 1回の試験結果が、指定した呼び強度の85%以上

② 3回の試験結果の平均値が、指定した呼び強度以上

たとえば「18-8-40BB」のコンクリートなら、最初の「18」が呼び強度18です。

1回の試験結果については、

18×0.85=15.3N/mm²以上

であることを確認します。

さらに3回分の試験結果がそろったら、その平均値が18N/mm²以上であることを確認します。

したがって、

「テストピース1本が18N/mm²を超えたからOK」

という確認ではありません。

ここで出てくる「呼び強度18」が何を表しているのか、後ろの「8・40・BB」にはどんな意味があるのかは、コンクリートの18-8-40BB・24-8-25BBとは?数字と記号の意味を初心者向けに解説で詳しく解説しています。

小さな工事でも3回試験するの?

ここまで読むと、

「3回の平均を見るなら、小さな工事でも最低3回はテストピースを作るの?」

という疑問が出てきます。

3回試験しない工事もあります。

国土交通省の品質管理基準では、工事規模などに応じて試験頻度が決められており、小規模工種には別の扱いがあります。

小規模工種で1工種あたりのコンクリート総使用量が50m³未満の場合は、

1工種1回以上の試験、またはレディーミクストコンクリート工場の品質証明書等のみ

とすることができます。

そのため、圧縮強度試験を1回しか行わず、「3回の試験結果」がそろわない工事もあります。

ただし、ここで注意したいのが「小規模工種」の意味です。

コンクリートが50m³未満なら、何でも小規模工種になるわけではありません。

国土交通省の基準では、橋台、橋脚、橋梁上部工、高さ1m以上の擁壁、函渠、護岸、トンネル、舗装など、小規模工種から除外されている工種があります。

試験結果が届いたら何を見る?

施工者や発注者にとっては、試験方法を覚えるだけでなく、提出された結果を確認できることも重要です。

試験結果が届いたら、まず次を確認します。

  • どこに打設したコンクリートか
  • 打設日・採取日は合っているか
  • 呼び強度は合っているか
  • 7日・28日のどちらの結果か
  • 3本それぞれの圧縮強度はいくつか
  • 3本の平均値はいくつか
  • 適用する規格値を満足しているか

特に複数日にわたって打設する工事では、

「この試験結果は、いつ・どこに打設したコンクリートなのか」

を施工記録などと照合しておきます。

施工前には、施工計画書の品質管理計画で供試体を何個採取するのか、どのくらいの頻度で試験するのかも確認します。

まとめ|テストピースを見たら「7日3本+28日3本」を思い出そう

コンクリート打設時に作っている円柱形のテストピースは、あとで圧縮強度を確認するための供試体です。

公共土木工事でよく見る6本は、

7日用3本+28日用3本

という組み合わせです。

そして、28日用3本を試験した**平均値が「1回の試験結果」**になります。

工事規模が大きく試験を繰り返す場合は、その1回の試験結果を3回分集めて、さらに平均値を確認します。

一方、小規模工種では試験が1回だけの場合もあります。

現場で「テストピース6本」と言われたら、ただ本数を覚えるのではなく、

何日の試験に使うのか、何回採取する必要があるのか、最後にどの規格値と比べるのか

まで確認できれば、圧縮強度試験の流れがつながります。

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出典・参考資料

国土交通省|土木工事施工管理基準及び規格値(案)(令和8年3月)
圧縮強度試験の供試体数、試験頻度、規格値、小規模工種の取扱いを確認。

国土交通省|土木工事共通仕様書(案)(令和8年3月)
公共土木工事におけるコンクリート施工・品質管理の基本的な規定を確認。

日本産業標準調査会(JISC)|JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」
硬化したコンクリート供試体の圧縮強度試験方法を確認。

日本産業標準調査会(JISC)|JIS A 1132「コンクリートの強度試験用供試体の作り方」
圧縮強度試験などに使用する供試体の作製・養生方法を確認。

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