道路工事で路床や舗装について調べていると、**「CBR」**という言葉が出てきます。
さらに資料を見ていくと、
設計CBR
修正CBR
現場CBR
など、似た名前まで登場します。
初めて見ると、
「全部CBRだけど、何が違うの?」
となりやすいところです。
CBRは簡単にいうと、路床や材料となる土の強さを表す指標です。
ただし、CBR試験で得られた数字をそのまま舗装設計に使うとは限りません。
この記事では、
CBRとは何を表す数字なのか
↓
設計CBR・修正CBR・現場CBRは何が違うのか
↓
設計CBRは実際にどのように決めるのか
という順番で解説します。
特に、**「試験でCBRが出たあと、それがどう舗装設計につながるのか」**まで理解できるように見ていきましょう。
CBRとは?
CBRは簡単にいうと、土や路盤材料が荷重に対してどれくらい抵抗できるかを表す指標です。
CBRは「California Bearing Ratio(カリフォルニア・ベアリング・レシオ)」の略です。
道路は、上から見るとアスファルトしか見えません。
しかし、その下には路盤や路床があり、これらが舗装を支えています。
たとえば路床が弱ければ、車から伝わってくる荷重を十分に支えられません。
そこで、
「この土は道路を支える材料として、どのくらいの支持力があるのか?」
を判断するときに使われるのがCBRの値です。
基本的には、CBRの値が大きいほど荷重に対する抵抗が大きい材料と考えることができます。
CBR試験では何をしている?
CBR試験では、対象となる土などをモールドと呼ばれる容器に入れて供試体を作り、そこへピストンを押し込んでいきます。
そして、
「決められた深さまでピストンを押し込むために、どれくらいの荷重が必要だったか」を調べます。
大まかな流れは、
土などの試料を採取する
↓
モールドに入れて供試体を作る
↓
所定の条件で試験する
↓
ピストンを押し込む
↓
押し込むのに必要な荷重を測定する
↓
CBR(%)を求める
というものです。
CBR試験方法は、JIS A 1211に規定されています。
なお、現場で直接行う「現場CBR試験」は別の試験方法で、JIS A 1222に規定されています。
そのため、「CBR試験=現場で地面に機械を押し当てて測る試験」ではありません。
現場CBRとは?|CBR試験と現場CBR試験は何が違う?
現場CBR試験とは、現地の地盤に直接ピストンを貫入させ、その場所のCBRを求める試験です。
通常のCBR試験では、採取した土などから供試体を作って試験します。一方、現場CBR試験では現地で直接試験します。
- CBR試験:採取した試料から供試体を作って調べる(JIS A 1211)
- 現場CBR試験:現地の地盤を直接調べる(JIS A 1222)
**「試料を採取して調べるか、現地で直接調べるか」**と考えると違いが分かりやすいでしょう。
CBRの数字が大きいと何が違う?
CBRは「%」で表されます。
初心者のうちは、
CBRが大きい → 荷重に対する抵抗が大きい
CBRが小さい → 荷重に対する抵抗が小さい
というイメージを持っておけば理解しやすいでしょう。
ただし、
「CBR10はCBR5の土より単純に2倍強い」
といった使い方をする数値ではありません。
道路の設計や材料の品質確認では、そのCBRが何を対象として、どのような条件で求められた値なのかまで確認する必要があります。
そして、ここで登場するのが「設計CBR」と「修正CBR」です。
「CBR」「設計CBR」「修正CBR」は何が違う?
CBRを理解するときに特に混乱しやすいのが、この3つです。
ざっくり整理すると次のようになります。
| 用語 | 何を見る? | 主な用途 |
|---|---|---|
| CBR | 土や材料の支持力を表す指標 | CBRという指標そのもの |
| 設計CBR | 路床の支持力を設計に使えるように評価した値 | 舗装構成の設計 |
| 修正CBR | 所定の締固め状態で材料の支持力を評価した値 | 路盤材料などの品質評価 |
初心者がまず覚えておきたいのは、
設計CBR → 主に「路床と舗装設計」の話
修正CBR → 主に「路盤材料などの品質」の話
という違いです。
名前は似ていますが、同じ目的で使われる数字ではありません。
設計CBRとは?|舗装の設計に使う
道路の舗装を考えるとき、下にある路床がどのくらいの支持力を持っているのかは重要です。
路床の支持力が小さければ、その上の舗装によって荷重をしっかり分散させる必要があります。
反対に、路床の支持力が大きければ条件は変わってきます。
そこで舗装構成を設計するときに使われるのが設計CBRです。
ここで注意したいのは、
「使用する予定の採取した土を1回CBR試験して、その数字がそのまま道路の設計CBRになる」
とは限りません。
実際の設計CBRの決め方では、路床を構成する土質や各地点の試験結果などを考慮して決定します。
修正CBRとは?|路盤材料などの品質確認に使われる
修正CBRとは、砕石などが路盤材料として十分な支持力を持っているかを確認するために使われる値です。
道路の路盤には、クラッシャランや粒度調整砕石などが使われます。
こうした材料は、ただ道路に敷けばよいわけではありません。
車から伝わる荷重を支えるため、路盤材料として必要な品質を持っている必要があります。
その品質を確認する指標の一つが修正CBRです。
たとえば、国土交通省の土木工事共通仕様書では、代表的な路盤材料について修正CBRの規格値が定められています。
- 下層路盤に使用する粒状路盤:修正CBR 20%以上
- 上層路盤に使用する粒度調整路盤:修正CBR 80%以上
このように修正CBRは、「この材料を路盤に使って大丈夫か?」を判断する品質規格の一つとして使われています。
なぜ「修正」CBRなの?
ここが普通のCBRとの違いを理解するポイントです。
同じ砕石でも、締め固め方によって密度が変わります。
しっかり締め固めた状態と、ゆるく詰まった状態では、CBRの試験結果も変わってしまいます。
それでは材料同士の性能を比べにくいため、修正CBRでは締固めの状態を考慮して材料のCBRを評価します。
そのため、まず締固め試験を行い、締固めの程度とCBRの関係を調べます。
そして、所定の締固め状態に対応するCBRを求めます。
国土交通省の土木工事共通仕様書では、粒状路盤について特に指示がない場合、最大乾燥密度の95%に相当するCBRを修正CBRとしています。
つまり「最大乾燥密度の95%」とは、
CBR試験を最大乾燥密度95%の状態で1回行えばよい
という意味ではなく、
締固めの程度とCBRの関係から、最大乾燥密度95%に相当するところのCBRを求める
というイメージです。
このように、締固め状態をそろえて材料の支持力を評価できるようにしたものが修正CBRです。
CBRは道路工事でどう使い分ける?
ここまで出てきたCBRを、目的で整理してみましょう。
設計CBR
→ 路床の支持力を評価し、舗装構成を設計するときに使う
修正CBR
→ クラッシャランや粒度調整砕石などが、路盤材料として必要な品質を持っているか確認するときに使う
現場CBR
→ 現地の地盤で直接CBRを求めたいときに使う
このように「CBR」という名前は同じでも、何を調べるのか、どのように求めるのか、何に使うのかを見ると違いを整理しやすくなります。
まとめ|CBRは「何のためのCBRか」を確認しよう
CBRは、土や路盤材料が荷重に対してどれくらい抵抗できるかを表す指標です。
道路工事ではよく登場しますが、「CBR」という言葉だけですべて同じものとして扱うと混乱します。
まずは、
CBR試験 → 採取した試料から供試体を作ってCBRを求める
現場CBR試験 → 現地で直接CBRを求める
設計CBR → 路床を評価し、舗装設計に使う
修正CBR → 路盤材料などの品質評価に使う設計CBR → 路床の支持力を評価し、舗装設計に使う
という違いを押さえておくと理解しやすくなります。
現場や試験成績表で「CBR」という文字を見つけたら、数値だけを見るのではなく、
「何の材料について、何の目的で求めたCBRなんだろう?」
と確認してみてください。
CBRの意味が分かると、舗装設計や路盤材料の品質規格がかなり読みやすくなります。
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出典
この記事は、以下の資料を参考に作成しています。
国土交通省|土木工事共通仕様書・施工管理基準
国土交通省が公開している土木工事共通仕様書、土木工事施工管理基準及び規格値などを確認できます。
本記事では、主に路盤材料の修正CBRに関する品質規格や、道路土工における現場CBR試験の位置付けを確認するために参照しています。
国土交通省|監督・検査・工事成績評定・土木工事共通仕様書関係
https://www.mlit.go.jp/tec/tec_tk_000052.html
公益社団法人 日本道路協会|舗装調査・試験法便覧
路盤材料の修正CBR試験方法などについては、日本道路協会の「舗装調査・試験法便覧」に示されています。
国土交通省の土木工事共通仕様書でも、道路工事で適用する基準類の一つとして「舗装調査・試験法便覧」が挙げられています。
公益社団法人 日本道路協会
https://www.road.or.jp/
※工事に適用される基準や規格は、発注機関、工事内容、設計図書などによって異なる場合があります。実際の工事では、その工事に適用される設計図書、共通仕様書、施工管理基準等を確認してください。
日本産業規格(JIS)
CBRに関する主な試験方法は、次のJISに規定されています。
- JIS A 1211「CBR試験方法」
- JIS A 1222「現場CBR試験方法」
JISの規格内容を確認する場合は、日本産業標準調査会(JISC)の公式サイトから規格番号を検索できます。
日本産業標準調査会(JISC)|JIS検索
https://www.jisc.go.jp/





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