公共工事に携わると、ほぼ必ず目にするのが「施工計画書」です。
初めて工事を担当すると、
「そもそも何のためにつくるの?」
「いつ提出するの?」
「工事が始まったあとに変更してもいいの?」
といった疑問が出てくると思います。
この記事では、施工計画書を初めて見る人に向けて、施工計画書とは何か、なぜ必要なのか、いつ作成・提出するのかという全体像を解説します。
「施工計画書には具体的に何を書くのか」「施工方法や施工管理計画をどう考えるのか」については、それぞれ別の記事で詳しく解説しています。
まずはこの記事で、施工計画書が公共工事の中でどんな役割を持つ書類なのかをつかんでいきましょう。
施工計画書とは?
施工計画書とは、簡単にいえば、
「この工事を、どのような方法・手順・体制で施工するのかをまとめた計画書」
です。
工事を始める前などに、施工方法だけでなく、工程、安全、品質、現場の体制などについて整理します。
ここで大切なのは、施工計画書は単なる「提出書類」ではないということです。
実際の工事をどう進めるかを施工前に検討し、その内容を関係者で共有する役割があります。

おっしばさん、施工計画書って作らないとダメなんですか?

若柴よ……それじゃどうやって工事を進めていくのか説明できるか?

ノリで何とかなりません?

ならんじゃろ…
施工計画書は何のために作る?
施工計画書を作成する目的の一つは、工事を安全かつ円滑に施工するため、事前に施工方法や管理方法などを整理することです。
工事が始まってから、
- ここどうやって施工するんだ?
- この機械、本当に入れるの?
- 交通規制はどうする?
- 品質管理はいつやる?
となっていては困ります。
そこで施工前に、
- どんな順序で施工するのか
- どんな機械を使用するのか
- どのように品質を管理するのか
- どのような安全対策を行うのか
- 緊急時にどう対応するのか
などを検討します。
つまり施工計画書は、**現場を始める前の「作戦書」**のようなものだと考えると分かりやすいでしょう。
施工計画書はいつ提出する?
施工計画書は、実際にその工事・工種の施工に着手する前に、必要な施工方法や手順などを整理して提出するのが基本です。
ただし、「契約したら何が何でもすぐに全工種分を完成させなければならない」と考える必要はありません。
工事によっては、契約直後の段階では詳細な施工方法が決まっていないこともあります。
そのため、適用される共通仕様書や特記仕様書などを確認しながら、施工方法が確定した段階で必要な施工計画を整理していきます。
国土交通省の土木工事共通仕様書でも、施工計画書について「工事着手前または施工方法が確定した時期」に提出する考え方が示されています。

おっしばさん、施工計画書って全部作らないと工事にはいれないんですか?

仕様書によっては、着手する部分ごとに作成・提出できる場合もあるぞ
大きな工事になると、施工方法がまだ決まっていない工種まで最初から詳細に書くのが難しい場合があります。
そのため、適用される仕様書等によっては、準備工・本体工・仮設工など、これから着手する部分ごとに施工計画書を作成・提出するという考え方もあります。
施工計画書の具体的な提出方法や時期については、発注機関や工事に適用される仕様書・特記仕様書などによって異なる場合があります。
「施工計画書は必ず契約後○日以内」と一律に覚えるのではなく、その工事に適用される契約図書を確認することが大切です。
また、施工計画書を提出した後でも、施工計画の内容に重要な変更が生じた場合には、変更する部分について変更施工計画書の提出が必要になる場合があります。 国土交通省の共通仕様書では、重要な変更が生じた場合、その工事に着手する前に変更施工計画書を提出することとされています。
この「どんな変更なら変更施工計画書が必要なの?」については、別の記事で詳しく解説します。
施工計画書には何を書く?
実際の記載事項は、工事や発注機関、適用される仕様書・基準などによって異なります。
そのため、実際に施工計画書を作成する際は、その工事に適用される契約図書・仕様書・基準類などを必ず確認してください。
一般的には、次のような内容を整理します。
| 項目 | 内容のイメージ |
|---|---|
| 工事概要 | 工事の基本情報 |
| 計画工程 | どのような工程で施工するか |
| 現場組織 | 誰がどの役割を担当するか |
| 主要機械 | 使用する建設機械など |
| 施工方法 | 各工種をどのように施工するか |
| 施工管理 | 出来形・品質などをどう管理するか |
| 安全管理 | 事故を防ぐための対策 |
| 緊急時の体制 | 事故・災害時などの連絡・対応体制 |
| 環境対策 | 騒音・振動・粉じん等への対応 |
各項目について詳しく知りたい方は、以下の記事で解説しています。
施工方法
→ 施工方法の書き方
出来形・品質などの施工管理
→ 施工管理計画の考え方
工程管理
→ 工程管理の基本
安全管理
→ 安全管理の基本
環境対策
→ 環境対策の基本
コピペで作ってはいけない?
過去の施工計画書を参考にすること自体が問題というわけではありません。
似た工種であれば、過去資料を参考にすることで作成時間を短縮できる場合もあります。
ただし注意したいのが、以前の施工計画書を今回の工事に合わせず、そのまま流用してしまうことです。
ありがちな例として、
- 前の工事名が残っている
- 使用しない機械が書かれている
- 今回とは違う施工方法になっている
- 現場条件に合わない安全対策になっている
- 設計図書等と内容が一致していない
などがあります。

おっしばさん、施工計画書を作ってみたんで確認してもらっていいですか?

おぉ~仕事が早いな。どれどれ……
あら?この工事に舗装の機械なんて使う予定なんてあったか?

あれ?えーっと…あっ…すいません💦
コピペした前のデータが残ってました(;´・ω・)

コピペじゃなくて、しっかり考えて作らないかんじゃろ
施工計画書と実際の現場を一致させよう
施工計画書を作ったら、それで終わりではありません。
重要なのは、計画した内容と実際の施工に食い違いがないか確認しながら工事を進めることです。
現場条件や施工方法などに変更が生じれば、施工計画について確認・見直しが必要になる場合もあります。
具体的にどのような場合に変更が必要なのかについては、適用される仕様書や発注機関のルール等を確認しましょう。
👉 施工計画書はいつ変更する?変更施工計画書の考え方【今後公開】
発注者はどこを確認する?
発注者側では、単に「書類が提出されたからOK」と考えるのではなく、
設計図書・現場条件・実際の施工内容との整合性
を見ることが重要です。
たとえば、
- この施工方法で本当に施工できるのか?
- 必要な安全対策は検討されているか?
- 工程に無理はないか?
- 品質管理の方法は適切か?
などを確認していきます。

項目が多すぎて、どこから確認したらいいんでしょう?

まずは設計図書や現場条件と見比べてみよう。

施工計画書だけを見るんじゃないんですね。

そう。今回の工事と計画の内容が合っているかを見るのが基本だよ。
施工計画書は「提出するための書類」ではない
施工計画書を作っていると、どうしても、
「とにかく提出期限までに完成させないと!」
となりがちです。
しかし、本来大切なのは書類そのものではなく、工事をどう施工するか事前に考えることです。
施工方法、工程、安全、品質などを施工前に検討しておけば、現場が始まってから慌てる場面を減らすことにもつながります。

おっしばさん、ここの施工ってどうやって進めたらいいんですか?

そこは施工計画書にやり方を書いとったじゃろ

そういえばそうでした(*‘∀‘) 施工計画書の通りやればいいんですね!
まとめ|施工計画書は工事の「作戦書」
施工計画書は、施工方法や工程、安全・品質管理などについて整理し、工事を安全かつ円滑に進めるための重要な書類です。
大切なのは、項目を埋めて提出することだけではありません。
「この現場を実際にどう施工するのか」
を考え、その工事に合った計画にすることが重要です。
建設シゴトラボでは、施工方法・出来形管理・品質管理・写真管理・工程管理・安全管理・環境対策など、施工計画書の各項目について初心者向けに詳しく解説しています。
参考資料・出典
本記事の作成にあたっては、国土交通省が公開している土木工事共通仕様書等の公的資料を参考にしています。
- 国土交通省「土木工事共通仕様書」等
※本記事は、公的資料等をもとに施工計画書について一般的な内容を分かりやすく解説したものです。実際の施工計画書の作成・提出・変更等については、各工事に適用される契約図書、特記仕様書、共通仕様書および発注機関の定め等をご確認ください。


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