コンクリートの配合とは?水セメント比・単位水量から配合表ができるまでを解説

現場・施工管理

コンクリートの配合計画書を見ると、

W/C=55%
s/a=43.5%
W=165kg/m³
C=300kg/m³

といった数字が並んでいます。

実務でまず理解したいのは、複雑な配合計算ではなく、

なぜこの配合になっているのか
配合計画書の数字は何を表しているのか
工事で使うときに何を確認するのか

という部分です。

この記事では、コンクリートの配合が決まるまでの考え方と、W/C・s/a・単位水量などの見方を初心者向けに解説します!

そもそもコンクリートの「配合」とは?

コンクリートは主に、

  • セメント
  • 水
  • 細骨材(砂)
  • 粗骨材(砂利・砕石)
  • 混和材料

を組み合わせて作ります。

それぞれの材料について、コンクリート1m³を作るためにどのくらい使用するかを決めたものが配合です。

たとえば配合表には、次のような数字が出てきます。

材料記号単位量の例
水W165kg/m³
セメントC300kg/m³
細骨材S800kg/m³
粗骨材G1,000kg/m³

※数値は配合の見方を説明するための例です。

コンクリートには、構造物に必要な強度や耐久性が必要です。

さらに現場では、鉄筋の間や型枠の中へきちんと打ち込める施工性も必要になります。

そのため配合は、

必要な性能を満たしながら、施工できるコンクリートになるように各材料の量や割合を決める

という考え方になります。

セメント・水・細骨材・粗骨材がそれぞれ何をしているのか分からない場合は、先に「コンクリートとは?何でできている?」を読むと理解しやすくなります。

公共工事では誰が配合を決めている?

ここは実務を始めたばかりだと分かりにくいところです。

発注者が設計段階で、

「水を165kg、セメントを300kg、砂を800kg……」

と一つずつ計算して発注するのが一般的な流れではありません。

施工業者が現場で一から計算するわけでもありません。

一般的なJISマーク表示のレディーミクストコンクリートを使う公共工事では、**生コン工場が発行する「レディーミクストコンクリート配合計画書」**を扱います。

大まかな流れは、

設計図書などで必要なコンクリートの条件が決まる
↓
その条件を満たす生コンクリートを選ぶ
↓
生コン工場から配合計画書が発行される
↓
施工業者・発注者が必要な条件を確認する

というイメージです。

設計図書には「18-8-40BB」「24-8-25BB」のように、使用するコンクリートが指定されていることがあります。

この数字や記号の意味が分からない場合は、コンクリートの18-8-40BB・24-8-25BBとは?数字と記号の意味を初心者向けに解説で、呼び強度・スランプ・粗骨材の最大寸法・セメントの種類に分けて解説しています。

だから施工業者や監督職員に必要なのは、配合計算を全部できることよりも、

「この工事で要求しているコンクリートと、配合計画書の内容が合っているか」

を確認できることです。

なお、JISマーク表示品を使用しない場合などは扱いが異なります。国土交通省の土木工事共通仕様書では、条件に応じて配合試験への臨場や基礎資料の確認、監督職員への提出などが規定されています。

配合は何をもとに決まる?

では、生コン工場では好きなように配合を決めているのでしょうか。

もちろん、そうではありません。

必要となる強度や耐久性、施工性、使用する材料などをもとに配合を決めていきます。

配合を理解するときは、次のような関係をイメージすると分かりやすくなります。

必要な強度・耐久性
→ 水セメント比(W/C)などに関係

必要な施工性
→ スランプや単位水量などに関係

使用する骨材
→ 粗骨材最大寸法や細骨材率(s/a)などに関係

使用するセメント・混和材料
→ 配合やコンクリートの性質に関係

「BBってどんなセメント?」「普通・早強・高炉では何が違う?」という人は、セメントの種類とは?普通・早強・高炉・フライアッシュの特徴とメリット・デメリットを初心者向けに解説で詳しく解説しています。

こうした条件を組み合わせて、最終的に「コンクリート1m³に水・セメント・細骨材・粗骨材などをどれだけ使用するか」が決まります。

では、配合計画書によく出てくる数字を順番に見てみましょう。



W/C(水セメント比)は水とセメントの割合

配合で最初に知っておきたいのが**W/C(水セメント比)**です。

WはWater(水)、CはCement(セメント)を表します。

水セメント比は、水の質量 ÷ セメントの質量 ×100で表し、コンクリートの強度や耐久性に大きく関係します。

同じ材料を使用する場合、水セメント比が小さくなるほど、一般に強度は大きくなる方向になります。

水セメント比はどうやって決まる? ※公共工事の場合

水セメント比は、必要な強度や耐久性などの条件を満たすように決められます。

生コン工場では、試験やこれまでの実績から水セメント比と圧縮強度の関係を確認し、必要な強度が得られる水セメント比を設定しています。

一方、水セメント比には耐久性などから決まる上限もあります。国土交通省の土木工事共通仕様書では、一般の環境条件の場合、次の値が示されています。

種類水セメント比の上限
鉄筋コンクリート55%以下
無筋コンクリート60%以下

たとえば、上限が55%でも、必要な強度からW/C=48%となれば、実際の配合では48%が採用されます。

配合計画書を見るときは、記載されているW/Cが設計図書や仕様書で求められる上限以下になっているか確認します。

実際に打ち込んだコンクリートの強度をどのように確認するのかは、コンクリートの圧縮強度試験とは?テストピース・7日強度・28日強度を初心者向けに解説で解説しています。

単位水量とは?

次は単位水量です。

「単位」と付くので難しく感じますが、

コンクリート1m³に使用する水の質量と考えれば大丈夫です。

たとえば、

単位水量 W=165kg/m³

なら、コンクリート1m³を作るために使用する水が165kgという意味です。

水はコンクリートの施工性に関係します。

水を増やせばコンクリートは軟らかくなりやすい一方で、必要以上に水を増やすと強度や耐久性などにも影響します。

そのため国土交通省の土木工事共通仕様書でも、必要な強度、耐久性、ワーカビリティーなどが得られる範囲で、単位水量を小さくするよう配合を定めることが規定されています。

単位水量はどうやって決まる?

配合計画書に書かれている「単位水量165kg/m³」などの数字は、施工業者や発注者が計算して決めているわけではありません。

生コン工場が、注文された強度やスランプなどの条件を満たすように練混ぜ試験を行い、使用する材料に合わせて単位水量の配合を決めています。

水を増やせばコンクリートは軟らかくなりますが、多すぎると強度や耐久性などに影響します。

そのため、骨材の粒度や形状、混和剤なども考慮しながら、必要な強度や施工性を確保できる範囲で、単位水量をできるだけ小さくするのが基本です。

こうして決められた単位水量が、配合計画書に「W=165kg/m³」などと記載されています。

単位セメント量とは?

単位セメント量は、コンクリート1m³に使用するセメントの質量です。

たとえば、C=300kg/m³

なら、コンクリート1m³に300kgのセメントを使用しています。

単位セメント量はどうやって決まる?

単位セメント量は、単位水量と水セメント比から決まります。

たとえば、

  • 単位水量:165kg/m³
  • 水セメント比:55%

なら、

165 ÷ 0.55 = 300kg/m³

となり、単位セメント量は300kg/m³です。

つまり、単位セメント量を単独で決めるのではなく、必要な施工性から決まる単位水量と、強度・耐久性などから決まる水セメント比との関係で決まると考えると分かりやすいです。

なお、構造物や使用条件によって単位セメント量の最小値などが定められている場合は、その条件も満たす必要があります。

s/a(細骨材率)は砂と粗骨材の割合

もう一つ、配合計画書で分かりにくいのが、

s/a(細骨材率)です。

細骨材率とは、全骨材の絶対容積に対する細骨材の絶対容積の割合です。

たとえばs/a=43%なら、

骨材の容積全体を100とした場合、細骨材が43程度、粗骨材が57程度というイメージです。

ここで注意したいのが、砂と粗骨材の重量をそのまま割って求める数字ではないことです。

s/aは質量ではなく、絶対容積による割合です。

細骨材率はどうやって決まる?

細骨材率(s/a)は、コンクリートが施工しやすく、材料分離しにくい状態になるように調整して決めます。

生コン工場では、使用する砂や粗骨材の粒度・形状、スランプなどの条件に合わせて、試し練りを行いながら適切な細骨材率を決めています。

細骨材率が高すぎると必要な水量が増えやすく、低すぎるとコンクリートが粗々しくなり、施工しにくくなることがあります。

そのため、必要なワーカビリティーが得られ、単位水量をできるだけ小さくできる細骨材率を選ぶのが基本です。

配合計画書のW・C・S・Gを読んでみよう

ここまで分かれば、配合表の記号もかなり読めるようになります。

記号材料意味
WWater水
CCementセメント
SSand細骨材
GGravel粗骨材

たとえば、次のような配合だったとします。

W/Cs/aWCSG
55%43%1653008001,000

W・C・S・Gの単位はkg/m³です。

これを読むと、

W=165kg/m³ → 1m³に使用する水

C=300kg/m³ → 1m³に使用するセメント

S=800kg/m³ → 1m³に使用する細骨材

G=1,000kg/m³ → 1m³に使用する粗骨材 となります。

そして、

W/C=55% → 水とセメントの質量比

s/a=43% → 全骨材の絶対容積に対する細骨材の絶対容積の割合 です。

これだけ分かれば、最初は暗号に見えた配合表も「何を表している数字なのか」は読めるようになります。

まとめ|配合計算より「なぜこの配合なのか」を理解しよう

コンクリートの配合とは、必要な強度・耐久性・施工性などを得るために、水・セメント・細骨材・粗骨材などの量や割合を決めることです。

公共工事で一般的なJISマーク表示の生コンクリートを使用する場合、施工業者や監督職員が一から配合計算をすることが実務の中心ではありません。

まず理解したいのは、

設計図書などで必要な条件が決まる
↓
その条件を満たす配合が決まる
↓
配合計画書で内容を確認する
↓
現場では納入された生コンの品質を確認する

という流れです。

配合計画書を見たら、まずはW/C・s/a・W・C・S・Gが何を表しているのか確認してみてください。

数字の計算方法を丸暗記するより、その数字が何のために決められているのかが分かると、その後のコンクリート工事も理解しやすくなります。

現場で行うスランプ・空気量・塩化物量などの確認については、生コンの受入検査とは?スランプ・空気量・塩化物量など何を確認するのか解説で詳しく解説しています。

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出典・参考資料

国土交通省|令和8年度 土木工事共通仕様書 第1編 共通編 第3章 第3節 レディーミクストコンクリート

レディーミクストコンクリートの工場選定、配合計画書、配合試験、単位水量、水セメント比、示方配合表などの扱いを確認するために参照。

土木学会|コンクリート標準示方書

コンクリートの配合・施工・品質管理に関する基本的な考え方の参考資料。

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